少し前から、日本の国立大学の経営者向けに「スタンフォード式」なるものがあり、前任校では各学部の選ばれた教員がその講習を受けていた。内容は公開されておらず、テキストの類も外には知らされてはいない。だから私は詳細を知らない。
それはいいのだが、専門の関係上、スタンフォード大というと別のことを思い出す。それはこの大学について、戦後の軍産学複合体形成においてモデルとなった組織とみなす研究があるのだ。同大の経営層は大恐慌の時、アクティブに出資者を探し、軍を パトロンにしたという。1990年代末の歴史研究であり、今日でも評価されている。
スタンフォードの話ではないが同じことは原爆の歴史でも言われていて、もともと公立大の伝統を持たない米国は資金不足から軍事研究に傾斜していったとされている。
いずれにせよ、大学と軍事研究をつなげるのはアメリカのモデルである。ヨーロッパのものではない。
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okisayaka (okisayaka@mastouille.fr)'s status on Friday, 08-Sep-2023 12:58:34 JST okisayaka - るまたん and なすこ repeated this.
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okisayaka (okisayaka@mastouille.fr)'s status on Friday, 08-Sep-2023 13:00:36 JST okisayaka 日本政府の一部はなぜアメリカの大学モデル(に見えるような何か)にこだわるのか?
これは高等教育研究に関わる人は恐らく一度は抱く疑問である。理工系の一部にもそう思ってる人はいて、その結果ドイツの研究政策について本を書いた人もいる。
しかし、アメリカの軍産学複合体が最終目標だとしたら?
もちろん仮にそうだとしても、図星を刺された人々はこう答えることだろう。
「何をいうのですか、日本はそれどころか全く殺傷性兵器の製造とは関係ない防衛研究が迫害されてきた国なのですよ?」と。つまり被害者意識を示すはずだ。
だが、その「迫害」とやらを止めるために、彼らが真っ当なアカハラ対策を講じたことはなかったのも事実だ。
その代わり、じわじわと大学自治とアカデミーの独立に手を入れていき、それがひどいので告発本が出るわ、学術会議の任命拒否を起こして国際学術会議(ISC)や世界のアカデミー、並びに一流科学誌で心配される有様に至っている。
被害者意識にかられた彼らはむしろ加害的であるし、そのやり方は不安定で幼い。