関東大震災の朝鮮人虐殺は、いまや官房長官まで公然と有耶無耶にしようとしている、寒心に堪えない状況です。確かに朝鮮人虐殺の実態には分からないことも少なくありませんが、それは「虐殺がなかった」ことにはなりません。細部が不明なことを以て全体を否定するのは、歴史修正主義の常套手段です。
ただ幸い、官房長官の妄言には批判も多く、また「福田村事件」を取り上げた映画も公開され、赤十字のAIごっこも取りやめになるなど、さすがにここまであからさまな歴史修正主義には、批判してくださる方も多くおられ、たいへん心強く思っている次第です。
批判の際に、2009年に内閣府によってまとめられた災害教訓の継承に関する専門調査会報告書のひとつ、『1923 関東大震災』の第2編が、はっきりと朝鮮人虐殺について述べている、と指摘される方も多くみられ、歴史研究が生かされていることは喜ばしいことだと思います。
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1923_kanto_daishinsai_2/index.html