日本の「稼ぐ力」が衰えたのは、近代化が完了したからだと思う。前近代的な生活をしている人が(比喩的に、あるいは文字通りの意味で)「都会に出てくる」ことで豊富な需要が産み出されていたのだが、日本のどこにも近代的な生活様式がいきわたり、さらに人口が増えなくなって、しかも移民も拒絶しているので、どこにも買い替え需要以外のものが生まれなくなった。
では、再び国民の半分以上が何かを熱望し、かつそれを手に入れるにはそこそこ長い時間がかかる状況を取り戻すか…というと、まあ普通に考えてそれは無理だ。
というか、おそらく高度成長こそが持続不可能なものだったので、その夢をもう一度見ようとするのが無理なんだと思う。低成長というのが現実で、我々はそれに順応する方法を見つける必要がある。