日本でもフランスでもマイノリティーの貧困率はマジョリティーよりも高かったりするけど、その原因はマジョリティー側の偏見による差別がある。
例えば、バブルの時に特に優秀というわけでもない普通の学生が沢山の企業から内定をもらっているにもかかわらず、在日コリアンの優秀な学生は全く内定が取れなかったという話を聞いたことがある。日本の保守派は日本人と在日コリアンの生活保護受給率を根拠に「日本人は生活保護を受給することが難しいのに在日は簡単に生活保護が貰える」と言っているが、それは単に在日コリアンの方が貧困に追いやられている割合が多いというだけ話であり、その背景に目を向ければ在日コリアンに対する差別がある。
「新自由主義」は中・上層には規制緩和等の利益を与えるとともに下層には治安国家的政策によって権威と規律が強制される「『二つの国民』型統合」という特徴がある。そして、治安国家化を正当化するうえで重要な役割を果たしてくれるのが「新保守主義者」たち。彼らは新自由主義のもとで増大した暴力や犯罪の問題を失業や貧困といった社会的・環境的要因から切り離し、個人の道徳的欠陥や犯罪的気質の問題に解消することで、警察的取締りの厳格化や刑事司法制度の厳罰化を正当化する役割を果たした。≪「暴動」(反乱)が起きるたびに、保守や極右の治安強化の要請はエスカレートする。今回も彼らは、ナエルの殺害が起きた社会的要因についてはまったく語らずに、若者たちの暴力だけを糾弾し、「緊急事態宣言」や軍の出動を求めた。≫というのはまさにその典型例といったところか。
「新自由主義」が邪悪なのはこうやって容易に差別と結びつく点。日本でも「新自由主義」を推進する政党ほど差別主義者が幅を利かせている。貧困も差別も真っ先に政治が解決すべき問題であるけど、「新自由主義」を推進する政党にそんなことができないのはあらゆる面から見て確定した事実。「公正」でまともな世の中にするには「反・新自由主義」の旗を掲げる政党に政権を担ってもらうしかないのではなかろか?
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檸檬水 (dd_lemon@songbird.cloud)'s status on Wednesday, 02-Aug-2023 23:47:41 JST 檸檬水