先日発売された周司あきらさんと高井ゆと里さんによる『トランスジェンダー入門』を読みました。トランスの人たちとはどんな人たちなのか、どんなふうに社会で構造的に困らされているのか、何がどう変わるべきなのかが知れる本です。本当に多くの人に読まれてほしい。
ところで、この本はこれまで欠けていた「入門書」で、とても明快で説明の順序も練り上げられた素晴らしい本で、それは端的に著者のお二人の力量によるものなのだけど、お二人はもちろん、ほかにも色んな人が色んな場所で色んな形で語ってきたことが反響しながら流れ込んでくるような、不思議な読書体験でした。初めて読む気がしない。それは著者のお二人が、これまで語られてきた色んな声を意識しながら書かれているからかもしれないな、とも。
この本はきっとこれから多くの人に読まれて、また新たな声を引き出すはず。もっと異なる多くの声が響く未来が見たいし、そのために尽力しなければと改めて思いました。