もともと発端は松尾潔がジャニー喜多川による未成年たちに対する性暴力を問題にした所から始まったのだけど、今現在はメディアもネット世論も契約解除をめぐる松尾VS山下バトルの構図に論点がずれかけているのが良くない。はっきり言って山下達郎がネット炎上しようとファンが少し離れようと、アガってしまった彼からすれば痛くも痒くもないし、そういう自分の立場も分かっているはず(だからラジオの最後の発言もああなる)。それに問題はそこではない。
まず当事者たちからの被害の訴えがあるにも拘らず山下達郎がそれを「仮定の話」に矮小化したことを指摘しつつ、それも一つの事例として、いま一度ジャニーズの性被害を組織や業界がとても長い間黙認してきた問題という本筋に論点を戻さないとそれこそ利権を守ってきた人たちの思う壺になるし、勇気を出して被害を訴えた人、傷を抱えつつそっと状況の改善を望む被害者たちが救われない。