6月9日、大阪市議会が議員定数の削減を決めました。
(維新大阪市議団 高見亮幹事長代行 6月9日の大阪市議会)
「この70という定数で日本一の議会をつくることは十分可能であると考えております」
6月9日の大阪市議会で話し合われた議員定数の削減案。これまで「身を切る改革」として議員定数削減を進めてきた維新。過去には他党が猛反発することもありましたが、大阪府議会・大阪市議会ともに削減を進めてきました。
【大阪府議会の定数】
2015年:109→88
2023年:88→79
【大阪市議会の定数】
2019年:86→83
2023年:83→81
そして今回は大阪市議会の定数を81から11削減して70にする案です。11の選挙区(東淀川区・西淀川区・北区・旭区・城東区・東成区・生野区・東住吉区・住吉区・平野区・住之江区)でそれぞれ1議席ずつ削減されます。仮に前回の選挙に当てはめてみると、維新3人・公明党4人・自民党2人・無所属2人が落選となった可能性があるということになります。
定数が減ることになる旭区で街の人に聞きました。
(70代の旭区民)
「やってみんことにはわからへんな。(Q声が届きづらくなる?)今までもそんな届いたことはないわな。何かにつけても」
(80代の旭区民)
「少数精鋭でもいいんちゃうの。それだけの実力のある人を選べばいいんやろ」
(40代の旭区民)
「多くいてほしいですけどね。旭区の区民の民意を反映してほしいですからね」
『議員定数の2割削減』を掲げてきた維新。定数が減ることで1年間で2億円あまりの無駄が削減されると主張します。
(維新大阪市議団 岡崎太幹事長 5月16日)
「議員がまず率先してその姿勢を示すことによって、市民理解を深めるとともに、市役所を動かしていく場合にもその覚悟を示すと」
定数削減について自民党は次のように話します。
(自民党大阪市議団 前田和彦幹事長 6月8日)
「やっぱり選挙の結果というのは受け止めないといけない。市民の方々がそういうことをやっぱり求められていらっしゃる声、この声があることは事実なので」
自民党は、1票の格差の是正のため最新の国勢調査で定数を見直すことを条件に、改正案に賛成しました。ある自民党関係者は「今は何をしても維新には勝てないので賛成せざるを得ない。議論をすることが自民の言い訳に見えてしまう」と話します。
また公明党も賛成して、維新・自民・公明の共同提案となりました。
一方で6月9日の大阪市役所前では「行政のチェック機能が果たせなくなる」と反対デモが行われていました。
(共産党大阪市議団 山中智子団長 6月9日)
「一番大事な市民とのパイプをどんどん切っているわけですから。それは身を切っているのではなくて、やっぱり市民の声を切っている」
そして削減案は維新・自民・公明の賛成多数で可決されました。4年後の大阪市議選から適用される予定です。