皮肉記号(ひにくきごう、英語: irony punctuation)とは、文章中で皮肉(irony)や嫌味(sarcasm)の意味合いを表現するために使用することが提案された各種の約物である。本項目では、約物以外の表現法も含めた、文章中で皮肉の意味合いを表現する各種の方法についても説明する。
皮肉を表す文章には、疑問符(?)や感嘆符(!)のような、皮肉表現であることを示す標準的な方法がなく、いくつかの形式が提案されている。それらの中で、最も古く、最もよく使われるのは、1580年代にイギリスの印刷職人ヘンリー・デンハムによって提案されたパーコンテーション・ポイント(percontation point)と、19世紀にベルギーの新聞出版者マルセリン・ジョバールとフランスの詩人アルカンタ・デ・ブラームによって使用されたアイロニー・マーク(irony mark)である。どちらも、疑問符を左右反転させた「⸮」の形を取る。
皮肉記号は、その文が、字通りの意味ではなく皮肉として理解されるべきであることを示すために使用される。括弧で囲まれた感嘆符や疑問符、および「皮肉の引用」も、皮肉や嫌味を表現するために使用されることがある。
パーコンテーション・ポイント
パーコンテーション・ポイント () は、疑問符を左右反転させた記号であり、修辞的疑問符(rhetorical question mark)とも呼ばれる。1580年代にヘンリー・デンハムによって提案され、回答を必要としない疑問文(修辞的疑問文、反語)の終わりに使用された。17世紀には使用されなくなった。Unicodeでは、コードポイントU+2E2Eに「反転疑問符」(reversed question mark)として割り当てられている。この文字は…