「新自由主義」で損をする庶民の「支持」を得なければ選挙で勝てないという事で、アメリカでは共和党が1970年代末期以降、キリスト教右派と同盟関係を結んでそこら辺の支持を開拓していったらしい。
キリスト教右派は、白人労働者階級の文化ナショナリズムに、また彼らの道徳的倫理観が傷つけられたという意識に訴えかけた(傷つけられたというのは、この階級が慢性的な経済的不安定のなかで暮らしており、積極的差別是正措置=アファーマティブアクションをはじめとする政府の政策を通じた利益配分の多くから排除されていると感じていたからである)。この政治基盤は、積極的には、宗教と文化ナショナリズムを通じて、消極的には、間接的な、ときにはあからさまな人種差別、同性愛嫌悪、反フェミニズムを通じて動員された。彼らにとって問題だったのは、資本主義や文化の新自由主義化ではなく、黒人、女性、環境派などの特殊集団に便宜を図るために、過剰に国家権力を行使する≪リベラル≫たちであった。(デヴィット・ハーヴェイ「新自由主義」p73 (「[共同研究]近代世界システムと新自由主義」p69-70からの孫引き))
今の日本も完全に同じですな。