スナウラ・テイラー『荷を引く獣たち 動物の解放と障害者の解放』読了。なかなか読むのに時間がかかったが、示唆に富む内容だった。身体に障害を持つ著者が、動物や動物の生きる権利について様々な観点から考えた内容で、今までになかった視点を気づかせてくれる。自身も身体が不自由である事から、ヴィーガン食によっては生命を維持することができない人もいるということを認めつつも、「動物と動物性食品を食べるのを拒むことができる人は、そうすべきだ」という主張は明快。「訳者あとがき」の、できるところから少しずつでも脱搾取を、という文章も良かった。白か黒かでは割り切れない世界の複雑さをそのまま受け止める作者に共感。