バイクだって以前はヘルメットの着用が義務じゃなかったのよね。高速道路ですらノーヘルでよかったんだから想像を絶するよね。特にリアルタイムで経験していない人にとっては文字どおり。私もそのうちの1人だけど。
まあ、時代ってかくあるものよね。電車や飛行機、病院の中ですらかつてはタバコが吸えたし吸っている人がふつうにいたとかは、つい30年ほど前のことだから最近でも何かと話題に上がるけど、いま当たり前のこととして受け入れられていることや、そうではないにしても制度や慣習として続けられていることがいつか変われば、そんな遠くない将来に「よくもそんなことがまかり通っていたな」とか「これこれなしで生活していたなんて考えられない」のようにほとんどすべての人が考えるようになるのよね。
これを制度や慣習が変わる前に気づいたり想像したりできる人とそうでない人がいて、そのあいだはグラデーション。当事者かどうかという当事者性の問題もある。当たり前のことを本当に当たり前かどうか立ち止まって考えるのってなかなか難しいことだけど、だって当たり前って常識ってことだから、それを疑う訓練をするのが哲学よね。