松本零士に関しては、絶対に誰かが(肯定的に)「男のロマン」と書くと思うんだけど、不思議な用語だなと思う。
つまり「じゃあ女のロマンって何だ」と言えばそんなものはないわけで、つまりはただの「ロマン」なのだ。で、その中身はというと、武器や暴力へのあこがれとか、女性を支配したいとか母親の象徴と懇ろになりたいとか、組織や社会を指揮して評価されたいとかという話なのであって、「男のロマン」というのは、男性ジェンダーの欲望の垂れ流しの言い換えに過ぎない。
では、松本零士はその時代の男性の欲望を垂れ流しにした作家なのかというと、実にその通りなんだけど、合ってるからいいのではもちろんない。
故人の魂には平穏があることを祈るが、その作品は批判され、否定されるべきだ。