文理両域における学術的研究成果の発信やそのための諸媒体を巡る色々な基本的情報と問題が分かりやすく整理されたよい本だった.人文分野で博士論文をもとにした書籍を学術出版社から出せるかどうかがキャリア構築上大きな山になるというのは国内だけの話ではないらしい.
学術コミュニケーション入門 ー知っているようで知らない128の疑問ー - 出版事業 https://www.adthree.com/publish/2022/09/gakujutsu-com.html
#ncrtbooks2023
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抑圧 木曜日 北ヲ81c (niceratus@pawoo.net)'s status on Friday, 17-Feb-2023 22:10:28 JST 抑圧 木曜日 北ヲ81c - B̅ repeated this.
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抑圧 木曜日 北ヲ81c (niceratus@pawoo.net)'s status on Friday, 17-Feb-2023 22:10:36 JST 抑圧 木曜日 北ヲ81c オープンアクセスに対する考え方や普及度合いにSTM分野とHSS分野で違いがあるという話をする中で,この二つの分野の違いを手際よく説明していた箇所が印象的だった.
「つまり,STMの厳正な事実や実験に立脚するという志向性と,より解釈や推論に重きを置くHSSの違いです.STM分野の出版物は……アイディアがどのように表現されるかよりも,アイディアの時日としての妥当性の方が重要なのです.インフルエンザワクチンの効果を実証する実験報告や,長く解明されていない数学的命題を証明するようなジャーナル論文のインパクトや有効性は,文章の華麗さや著者の創造的な解釈によって決まるのではありません.極端に言えば,科学者は「いつ,これを発見した」と主張するためだけに出版するのです.」(p.240)In conversation permalink B̅ repeated this. -
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抑圧 木曜日 北ヲ81c (niceratus@pawoo.net)'s status on Friday, 17-Feb-2023 22:10:38 JST 抑圧 木曜日 北ヲ81c 「しかしHSS分野では,著者の解釈や,それがどのように表現されているかこそが,論文の根幹であることが多いのです.ウォルト・ホイットマンの詩の新たな解釈について論じたり,社会科学的データに従来と異なる含意を見出したりする著者は,新たな発見について報告しているのではなく,ある程度反論の余地があるような議論を提示しているのです.そのような場合,その議論がどのように表現されているかというのは学問的に根幹となる重要な部分です.ですから人文学者が出版するのは主に,「このように信じる,あるいはこれについてこのような立場をとるに足る説得力のある理由はこうである」と提唱するためなのです.」(pp.240-241)
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抑圧 木曜日 北ヲ81c (niceratus@pawoo.net)'s status on Friday, 17-Feb-2023 22:10:40 JST 抑圧 木曜日 北ヲ81c 「これらの理由により……オープンアクセス運動は人文系よりも科学分野においてはるかに進展しています.科学者は報告の先駆性を確保することに注力していて,その報告をどのように表現するかという点についてはそれほど厳密ではないのです.これに対して人文系の著者は,自分の著作がどのように配布され再利用されるかということについてある程度コントロールしたいと思っているようです」(p.241)
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