:hyuki: 音声入力で文章を書く話
音声入力の話。
2020年頃から、音声入力を積極的に使うようになりました。それまでは文章を入力するのはキーボードが最強だと思っていました。でも最近はどちらも使い方次第だと思うようになりました。
キーボードは正確で細かい修正もしやすくて、しかも早く入力できます。記号類も間違いなく入力できますので、マークアップ言語や数式などを入力するときにはキーボードは欠かせません。それから、複数ファイルを渡り歩いて編集するのもキーボードじゃないと辛いですね。
それに対して音声入力は誤入力も多いし、自分の口を動かす必要がありますし、記号類を入力するのはなかなか辛いものがあります。編集作業も難しいですね。
最も大きな違いは、気持ちの問題です。キーボードに両手を置いているときと、マイクに向かっているときでは、ずいぶん気持ちが違います。そして、気持ちが違うと、出てくる言葉や見つかる表現も多少変わってきます。
私はキーボードを話すように打っているつもりですけれど、実際に話した方が自分の考えに直結しているような気がします。
自分の考えに直結してるというよりは、自分が人に話すときのように、文章を組み立てることができるのに近いですね。実際に言葉にして話しているわけですから当然と言えば当然です。
もちろん、人様に見せる文章に整えるためには、音声入力したものをそのままでは辛いものがあります。やはりキーボードを使って編集してやる必要があります。
しかし、SNSに流す「おしゃべり」になると、音声入力でも充分ではないかと感じます。むしろ、音声入力の方が、本当の「おしゃべり」に近いかもしれません。
毎朝散歩しながら、iPhoneに向かってそんなおしゃべりをしています。この文章も今歩きながらiPhoneに向かって書いています。入力した文章は、最低限の誤字脱字を直して「結城浩の作業ログ」に送信されます。いくつか抜粋してマストドンにも流します。すべての作業は散歩中に行っています。
短い時間で、意外に長い文章が書けるものだなと思います。ということはキーボードに劣らず、音声入力も結構なスピードがあるんですね。
もっとも、歩きながら話していることですから、参照ウェブページURLの記述や正確な引用などはできません。自分の頭や心からすぐに出てくる言葉だけの記述になります。論理展開も乱れがちですし、重複表現もあります。また、最初に話していた内容からどんどんずれていくこともよくあります。それはまさにおしゃべりですけれどね。
自分が音声入力で書いた文章を読み返してみると、それでも、そんなに苦痛ではないなと感じます。まさに誰かのおしゃべりを「ふんふん」と言いながら聞き流している感じに読める文章になっていると思います。
音声入力した文章は、ラジオのDJ やYouTubeのvlogに似た味わいがあるなと自分としては思っています。
音声入力した文章は、ラジオやYouTubeに比べると受け取り手の時間を占有しない利点があると感じます。要するに、文章なのでさっさと流し読みができるという意味です。
音声入力によるおしゃべりを文章にして、それを公開するというのは、ですから、私にとってはYouTuberの感覚に近いですね。
1人で仕事をしているので、口を動かすことも良い練習になっています。それから、自分の心に浮かぶことをそのまますっと言葉にして文章にしてしまうというのは、メンタル的にもなかなかいいものがあります。
音声入力、なかなかいいですよ。あなたも試してみませんか。