なぜ国軍は村を焼き、蹂躙じゅうりんするのか。
国軍は長年、敵対する少数民族武装勢力から食糧、資金、情報、募兵の四つの抵抗基盤を断つ「フォー・カッツ」(四断戦術)を採ってきた。敵対勢力への支援を断ち切るため、住民も攻撃対象とする非人道的な戦術が現在も続く。
昨年12月に襲撃されたザガイン州の村では、燃やされた学校のホワイトボードに国軍の脅しが書き残されていた。「PDFを支援すればするほど戦争の惨禍に苦しみ、家を焼かれる」
独立メディアによると、国軍はミィミィの故郷にPDFが潜伏中と踏んで攻撃した。だが母や弟はPDFとは関係がない。ミィミィは怒りを込める。「敵と決め付けたら手当たり次第に空爆し、火を放つ。恐怖を植え付る狙いだ」
ミィミィは週末ごとに名古屋駅前で支援を求めて声をからす。生活を切り詰め、月10万円余りの給料から3万円を父に仕送りする。「私が活動をやめたら国軍が喜ぶだけ。母や弟の死を無駄にしたくない」
<やまぬ抵抗 ミャンマークーデターから2年①>
2023年1月28日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/227799