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ジャン・ベルナベ、パトリック・シャモワゾー、ラファエル・コンフィアン著、恒川邦夫訳『クレオール礼賛』(平凡社)との出会いは、私にとって決定的なものとなりました。
植民地主義がもたらした、複数言語の暴力的邂逅と混淆。支配者の言語をベースとして形成されたそのハイブリッドな言語、クレオール語は、支配者の目には〈劣化した母語〉に映りました。ファノン『黒い皮膚・白い仮面』にも、そうした支配者の側からの蔑視、そしてそれを内面化してしまった被植民者たちの葛藤が綴られています。
ところが本書、『クレオール礼賛』は、その表題の通りに、クレオール語、ひいてはクレオール性にこそ、人間の未来を託すに値するおおいなる可能性のあることを訴えるのです。
その後、クレオール性を楽観的に褒め称えることの危険性なども指摘され、そうした批判にもまた一定以上の意義があるのですが、それでもやはり、『クレオール礼賛』は、ポストコロニアルの一つの成果として、ぜひ、後世に手渡したい。版元では現在品切れとのこと。復刊が心から待たれます。
https://www.heibonsha.co.jp/smp/book/b157980.html
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