藤井太洋「マン・カインド」
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藤井先生の本、時間が経っても色あせないのだけれど、鮮度が高いうちに読むとより人生に活きるのですよ。ということで急いで読了した。
まずは、他作品との比較による書評。
小島秀夫が「MGSシリーズを継ぐ者」と評していたけれど、いやいやMGSは遙かに超えていて、MGSの刺激で生まれた伊藤計劃「虐殺器官」の骨格に、テクノロジーでリビルドされた漫画版「風の谷のナウシカ」が乗った、数段上の作品でしょう。まあ、「映画」という尺で深めるには限界があるので、MGSが深めきれないのはしかたないけれど。
また、藤井先生が明確に過去作を下敷きにした、続編的なものを書くのは今回が初めてなはずで、「公正的戦闘規範」と「第二内戦」を踏まえた作品であることから、藤井先生の強みの1つ「舞台の意外性」がない状態でどう整えるのかとは思っていたのだが、過去作を見なくても楽しめ、かつ、見ている人が展開を予想してしまう「醒め」も見事に避けて一段上の展開を見せてくださったのであった。
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