『遊廓のストライキ―女性たちの二十世紀・序説』
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784907986063
ざざっと読了。
明治以後から始まり、昭和、戦前までの「娼婦」たちが起こしたストライキを軸に、娼婦たちは何を考え、その周辺の人間たちはどのように行動したのかを豊富な資料で読み解く。
この本を通して分かるのは、娼婦たちが地獄のような遊郭に叩き込まれながらも、廃業・・・遊郭から出て自由な、人間らしい生き方を諦めていないこと。
そもそも底辺の女性にとって娼婦の経験は決して珍しいものではなく、そこから抜け出すことも完全な夢物語ではなかったことが伺える。だからこそ逃亡などのストライキ、「楽しみは年季が短くなること」など、とにかく自由を夢見る娼婦たちの姿がある。
また彼女らを取り巻く社会システムの残酷さ、警察の横暴、そして同じ廃娼運動をしつつも「娼婦は汚れているから」で運動する矯風会、「社会弱者の娼婦になんの非がある」の与謝野晶子らのフェミニズムもまた戦う。
ある意味で。。。
性倫理も現代よりは緩やかで、そして何より、大正デモクラシーや戦争など、社会がひっくり返る混乱を何度も超えている。
医療も就業もはるかに現代の方がいい。でも、社会がガッチリ硬直化した現代より、希望だけはあったのではないかと思わなくはない。。
GNU social JP is a social network, courtesy of GNU social JP管理人. It runs on GNU social, version 2.0.2-dev, available under the GNU Affero General Public License.
All GNU social JP content and data are available under the Creative Commons Attribution 3.0 license.