四月七日(金)
インパールへ日本軍は進出しつつあり。これは東條大將が参謀総長になってから、最初の大きな作戰だ。これによって印度が動搖し、反英運動が起る可能性をねらったものだ。東條の見通しが正しいかどうかは、やがて明らかになろう。
畠をやっていたら、妙齢の婦人が野菜をわけてくれないかと言った。毎日の新聞は野菜のことばかりだ。
ところが、その増産の奬励にかかわらず、馬鈴薯のタネイモも、ニラも何も配給されぬのである。宣伝だけで何もしない。これを官僚統制という。国民は愚劣だから、まだわからない。なにか行き詰まると、統制の不足にもってくる──始終、同じことを繰返すようだが。