ここで少し違う側面からの話に映る。人々の資産形成(ポートフォリオ)を次のように考える。
総資産=現金通貨+債券
現金通貨は「使いたい時すぐ使える」「でも、利子はつかない」。債券は「使う前に処分する必要がある」「でも利子がつく」。要するに、次のような関係になる。
現金通貨 流動性高、収益性低
債券 流動性低、収益性高
人々は、流動性と収益性のバランスを考えながら、自分にとってベストの組み合わせで資産を保有しようとする。ここで債券に含まれるのは「株式」「社債」「土地等不動産」などなど。ここに「国債」も含まれる。
次に、政府債務のポートフォリオを考えてみる。
政府債務=現金通貨+国債
現金通貨とは、「これを使えば政府に対する債務(納税義務)を打ち消せる」、つまり、市民にとっての「債権」。国債も「これと交換に現金通貨を受け取れる債権」。逆に政府側から見れば、どちらも債務なんだよね。
で、何が違うかというと、ここでも流動性と収益性の違い。現金通貨は「金利がつかない(か、めちゃくちゃ低い)が、いつでも使える」。国債は「金利はつくが、すぐには決済に使えず、先に売却する必要がある」。