システム正当化理論
“日本社会の中では、差別されていると感じない女性も多いですし、ストレスもなく日々幸せを感じてる女性もたくさんいます。人間というのは、ストレスを抱えながら生きていくのは大変です。自分が常に不利な状況に立たされているとか、社会的で理不尽な目に遭っているとか、差別をされていると考え続けるということは、心の負担になるわけですね。”
“現在の社会、経済、政治、全てのシステムに対して、これは間違っていない、正しいんだと、思い込んでしまう。このシステム正当化理論でいえば、現在不利な状況に置かれている人ほど、幸せに感じるために、現状の格差を認めてしまうという研究結果があります。”
声の封殺
“実はマイノリティの声というのは、マイノリティだからあまり声が上がらないわけなんです。だから初めは冷静に、例えばデータから「こういうような不利益を私たちは受けています」と訴えても、誰も聞かないわけですね。小さな声は誰も聞かない。結局、感情的な大きな声になるまで社会の側が耳を傾けないわけです。”
“差別ってそういうもので、不利益ってそういうものなんです。だから不利益を被っている人は、最初大きな声で感情的に叫ばない限り、それを聞いてくれる人は誰もいないんです。それに対して「大きな声で言うな」というのは、「不利益や差別を解消したいと私は思っていません」「現状維持のほうが気持ちがいいです」と揺り戻していることに他ならないんですね。”
女性差別 わたしの視点③ 社会心理学の立場から~東洋大学教授・北村英哉さんに聞く~https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/570/