『ボリウッド映画を超えて インドの女性監督たち』を観ました。インド映画製作の現場での女性差別と映画でのステレオタイプな女性像について迫るドキュメンタリーです。
キャリア形成での不平等や賃金格差、等身大の女性像を描く女性製作者の奮闘とステレオタイプゆえのボリウッドの行き詰まりという指摘にインド映画への理解が深まりました。
ステレオタイプとして挙げられた男性の強引な求愛行動(イブ・ティージング)本編と関係ないセクシーなダンスと楽曲(アイテムナンバー)の挿入は、ボリウッドのみならず、他の映画圏(トリウッド、サンダルウッド)でも観られますし、具体的な作品では話題になった『バーフバリ』や『きっと、うまくいく』、最近公開された『K.G.F』、『ランガスタラム』でも当てはまります……。
『めぐり逢わせのお弁当』や『あなたの名前で呼べたなら』のような等身大の女性像を描く作品もあるのですが、いかんせん目立たない。
ステレオタイプをインド映画の持ち味として無邪気な消費をしていた過去を反省し、インド映画好きとしてインド映画界の刷新を応援していきたいと思えるドキュメンタリーでした。