“この話は、作家・評論家の犬養道子さんの実話です。戦後間もない時期に、戦時中は敵国だった国に留学し、そこで重病になってしまった女子学生がどれだけ不安だったことか。同じ列車の乗客たちはそのことを感じとりそれぞれが自分にできる形で、当時の犬養さんを励ました。病気が全快して退院した後は、世界の飢餓問題や難民支援活動に尽力され、2017年に96歳で他界した。列車の乗客たちとの出会いが、彼女の人生にもたらした影響は大きかった。困った時に見返りを求めずに助け合える。こんな素晴らしいことはない。”
引用終わり。
私の父も戦後暫くしてまだまだ反日感情が強かった頃にシカゴ大学の大学院に留学した。
当時は地上の階には日本人は部屋を貸してもらえず半地下の小さなアパートに住んでいたそうだ。
心無い言葉をかける人もいれば、手を差し伸べてくれる人も多かったという。
アメリカで父は洗礼を受けクリスチャンとなった。
日本に家の事情で引き戻されたことを死ぬまでずっと大きな蟠りとして持っていたと思う。
私とは晩年大きな溝ができたけど、父もアメリカにずっと居たかったのだろうと、こういう話を目にする度にちょっと父のことを思い出す。
父も私も「アメリカの好きなところ」は同じだったのだと思う。