文書主義の崩壊(というか意図的な破壊)や感染症対策の無軌道、もはや外務省が率先しているかに見える歴史戦、歴史修正教育と愛国的道徳教育の推進などなど、もはや『「官僚制」に対する信』なるものこそ、最も信のおけないものになっているのが、今どき日本じゃないのかね。しかも庵野秀明の「官僚制」への信っていうのは、『シン・ゴジラ』でも『シン・ウルトラマン』でも語られたとおり「霞ヶ関の独立愚連隊」なる、「官僚でありつつ、官僚でない」といった、エクスキューズを伴わなければ成り立たないものによって、無理矢理に仮構されているとしか思われないので、自分には全くリアリティがなかった。だからこそ、新海誠に別の吸引力が発生しているのではなかろうか。政治家も官僚もだめだから、リベラルな天皇に期待するっていう今どきリベラル態度というかさ。