https://mainichi.jp/articles/20221201/k00/00m/040/146000c
カルテルは確かにダメですが、電力自由化という方針自体が根本的に問題をはらんでいた可能性もあるのではと個人的に思います。よほどうまくモデルを作らないと、共倒れするとか、供給が不安定になるとか、何かしら不具合が出る場合が多いように思います。
ちなみに、戦前の電力業界は、無茶苦茶な自由競争の果てに、昭和恐慌と金本位制離脱による外債利払い問題で行き詰まり、有力な五大電力がカルテル「電力連盟」を結んで競争をやめ、業界の体質改善を図ります。ちょうど今から90年前の、1932年のことでした。
当時はカルテルは違法でなく、むしろ「産業合理化」(当時のスローガン)のために政府がカルテルによる調整を推奨していたくらいでした。で、電力はカルテルが結ばれて不当な利益が貪られたかというと、そうではなく安定した業界になって消費者の利益にもなったと、経済史の通説では言われています。
「経済史の通説」とは、橘川武郎先生の『日本電力業発展のダイナミズム』のことをもっぱら意識しています。
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嶋理人 (bokukoui@mstdn.jp)'s status on Friday, 02-Dec-2022 18:02:35 JST 嶋理人