オープンソース(英: open source)は、専らオープンコラボレーションを促進する目的で、コンピュータプログラムの著作権の一部を放棄し、ソースコードの自由な利用および頒布を万人に許可するソフトウェア開発モデル。この開発モデルでは、コンピュータで実行できるが人間が容易に理解・変更できないオブジェクトコードだけでなく、ソースコードも含めて自由な再頒布を許可するライセンスのもとで公開する。
オープンソースを推進するために設立されたオープンソース・イニシアティブは、ソフトウェアがオープンソースであるための要件を定めた「オープンソースの定義」を策定した。
歴史
「オープンソース」という用語が作られる前年、1997年当時、「フリーソフトウェア」というものに対する経営者や投資家の印象は必ずしも良いものではなかった。1つには、「自由なソフトウェア」を意味する「フリーソフトウェア」という言葉が多くの場合に使われていた「無償のソフトウェア」という意味と紛らわしく、無償という考え方は営利目的主体のビジネスには馴染まなかったことがある。また1つには、フリーソフトウェア運動を進める中心的な存在であるフリーソフトウェア財団がフリー(自由)ではないソフトウェア(プロプライエタリソフトウェア)に対して攻撃的であったことがある。さらに1つには、フリーソフトウェア財団の「フリーソフトウェア」が掲げていた「コンピュータのプログラマとユーザは、何の制約も受けずにソフトウェア(のソースコード)を他人と共有できるべきなのである」という主張が共産主義的だとされた。そのような背景から、「フリーソフトウェア」は営利目的の企業としては関わりたくない対象であった。
1998年2月3日、パロアルトにおいて、マイクロソフトのInternet Explorerとの競争でシェアが低下したネットスケープコミュニケーションズのブラウザNetscape Navigatorの建て直しの戦略会議が開かれた。会議では製品の機能と品質の向上とシェア回復のために、技術者の参加を募集する方法、誰でも開発および供給に参加できる理念について議論していた。そこでソースコードの公開は有意義であるが、フリーソフトウェア運動の急進的な思想は非現実的であり、その極端な思想がビジネスの世界からは拒否されていると考えた人々は、「free software」に代わる用語と理念を検討した。そこで…